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【2024年版】個別機能訓練加算をPT・OT不在でも取得する方法は?
kasan

【2024年版】個別機能訓練加算をPT・OT不在でも取得する方法は?

PT・OTがいなくても個別機能訓練加算は取得できるのか?

認知症グループホームの経営において、加算の取得は収益向上の重要な要素です。特に個別機能訓練加算は、利用者の身体機能維持・向上を図りながら収益改善にも寄与する有効な加算の一つです。

多くの事業所で「理学療法士(PT)や作業療法士(OT)がいないと取得できない」と思われがちですが、実際には他の有資格者でも要件を満たせば取得可能です。

個別機能訓練加算の基本要件とは?

加算の種類と単位数

個別機能訓練加算(認知症対応型共同生活介護)は以下の通りです。

加算区分 単位数 月額換算
個別機能訓練加算 12単位/月 546円/月

人員配置要件

機能訓練指導員として配置できる資格者は以下の通りです。

  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 看護職員(看護師・准看護師)
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師又はきゅう師(理学療法士等の指導の下で実施する場合)

実施要件

  1. 機能訓練指導員による個別機能訓練計画の作成
  2. 利用者・家族への説明と同意取得
  3. 計画に基づく機能訓練の実施
  4. 3か月ごとの計画見直し
  5. 実施状況の記録・管理

看護師を機能訓練指導員として活用する方法は?

看護師による機能訓練指導の実践例

多くの認知症グループホームには看護師が配置されており、この看護師を機能訓練指導員として活用することで個別機能訓練加算の取得が可能です。

具体的な実施手順:

  1. アセスメントの実施

    • 利用者の身体機能・認知機能の評価
    • 日常生活動作(ADL)の確認
    • 既往歴・現病歴の把握
  2. 個別機能訓練計画の作成

    • 利用者の状態に応じた訓練目標の設定
    • 具体的な訓練内容・方法の決定
    • 訓練頻度・時間の設定
  3. 実施・指導

    • 介護職員への訓練方法の指導
    • 定期的な実施状況の確認
    • 効果測定と記録

看護師による機能訓練の特徴

看護師が機能訓練指導員を担う場合の特徴は以下の通りです。

メリット:

  • 医学的知識に基づく安全な訓練実施
  • 既存スタッフの活用による人件費抑制
  • 利用者の健康状態を総合的に管理

注意点:

  • 機能訓練に関する専門研修の受講
  • PT・OTとの連携・相談体制の構築
  • 訓練効果の客観的評価方法の習得

個別機能訓練計画書の作成ポイントは?

必須記載事項

個別機能訓練計画書には以下の項目を必ず記載する必要があります。

基本情報

  • 利用者氏名・年齢
  • 要介護度
  • 主治医・担当ケアマネジャー
  • 作成日・見直し予定日

アセスメント結果

  • 身体機能の状況
  • 認知機能の状況
  • 日常生活動作の自立度
  • 本人・家族の希望

訓練計画

  • 長期目標(6か月程度)
  • 短期目標(3か月程度)
  • 具体的な訓練内容
  • 実施頻度・時間
  • 評価方法

作成時の注意事項

根拠に基づく計画立案

【例】下肢筋力低下がある利用者の場合
・現状:立ち上がり時にふらつきがある
・目標:安全に立ち上がりができる
・訓練内容:椅子からの立ち上がり練習(10回×2セット/日)
・評価方法:立ち上がり時間の測定

実現可能な目標設定

  • 利用者の身体機能・認知機能に応じた目標
  • 日常生活に直結する具体的な目標
  • 測定可能で客観的な評価指標

効果的な機能訓練プログラムとは?

認知症高齢者に適した訓練内容

認知症グループホームの利用者特性を考慮した機能訓練プログラムの例を紹介します。

基本的な訓練メニュー

機能分類 訓練内容 頻度 時間
下肢筋力 椅子からの立ち上がり 毎日 5-10分
バランス 片足立ち練習 週3回 3-5分
関節可動域 肩・股関節の運動 毎日 5-10分
歩行 施設内歩行練習 毎日 10-15分
認知機能 計算・記憶課題 週2回 10-15分

集団訓練と個別訓練の使い分け

集団訓練が適している場合:

  • 軽度認知症で他者との交流が可能
  • 競争心やモチベーション向上効果が期待できる
  • レクリエーション要素を取り入れたい場合

個別訓練が必要な場合:

  • 中重度認知症で個別対応が必要
  • 特定の身体機能に集中的な訓練が必要
  • 周囲に注意が散りやすい利用者

日常生活動作との連携

機能訓練の効果を最大化するため、日常生活動作(ADL)との連携を図ることが重要です。

連携の具体例

  1. 食事場面での訓練

    • 箸の使い方練習(上肢機能訓練)
    • 正しい座位保持(体幹機能訓練)
    • 嚥下機能訓練
  2. 入浴場面での訓練

    • 浴槽への出入り練習(下肢筋力・バランス)
    • 洗身動作練習(上肢機能・関節可動域)
  3. 排泄場面での訓練

    • トイレでの立ち座り練習
    • 歩行訓練(トイレまでの移動)

記録・評価の実施方法は?

実施記録の作成ポイント

個別機能訓練加算の算定には、適切な記録の作成・保管が必要です。

必要な記録類

  1. 個別機能訓練計画書

    • 初回作成時
    • 3か月ごとの見直し時
    • 利用者・家族の同意書
  2. 実施記録

    • 日々の訓練実施状況
    • 利用者の反応・変化
    • 訓練効果の評価
  3. 評価・見直し記録

    • 3か月ごとの評価結果
    • 計画変更の理由
    • 次期計画への申し送り事項

効果測定の方法

客観的な効果測定により、訓練の妥当性を検証します。

測定項目の例

機能分野 測定方法 評価頻度
筋力 握力測定・立ち上がりテスト 月1回
バランス 片足立ち時間・Functional Reach Test 月1回
歩行 10m歩行時間・歩数測定 月1回
ADL Barthel Index・FIM 3か月ごと
認知機能 HDS-R・MMSE 3か月ごと

数値データの活用例

改善事例:

  • Aさん(85歳女性)の10m歩行時間が30秒から25秒に短縮
  • Bさん(78歳男性)の片足立ち時間が3秒から8秒に延長
  • Cさん(82歳女性)の立ち上がり回数が5回から8回に増加

算定開始までの手続きの流れは?

事前準備(算定開始1か月前)

1. 人員配置の確認

  • 機能訓練指導員となる看護師等の選定
  • 必要に応じて外部講師による研修の実施
  • 勤務シフトへの機能訓練時間の組み込み

2. 設備・備品の準備

  • 訓練に必要な機器・用具の調達
  • 訓練スペースの確保
  • 記録用書式の準備

3. 利用者・家族への説明

  • 個別機能訓練加算の内容説明
  • 同意書の取得
  • 重要事項説明書の変更

自治体への届出手続き

必要書類の準備

  1. 体制届出書

    • 個別機能訓練加算に係る体制届
    • 機能訓練指導員の勤務形態一覧表
    • 資格証明書の写し
  2. 添付書類

    • 重要事項説明書(変更版)
    • 運営規程(変更版)
    • 研修受講証明書(該当する場合)

提出期限と注意事項

  • 算定開始月の前月15日までに提出
  • 自治体により書式や手続きが異なる場合があるため事前確認が必要
  • 不備があると算定開始が遅れるため、余裕をもった準備が重要

算定における注意点と対策は?

よくある算定漏れの原因

1. 計画書の未更新

  • 3か月ごとの見直しを忘れる
  • 利用者の状態変化に応じた計画変更ができていない

対策:

  • 見直し予定日をカレンダーに記録
  • 月末に翌月の見直し対象者を確認
  • 担当者会議での情報共有

2. 実施記録の不備

  • 訓練実施の記録漏れ
  • 評価結果の記載不足

対策:

  • 日々の記録様式の統一
  • 記録責任者の明確化
  • 定期的な記録監査の実施

監査対応のポイント

準備すべき書類

  1. 基本書類

    • 個別機能訓練計画書(全利用者分)
    • 同意書(利用者・家族)
    • 機能訓練指導員の資格証明書
  2. 実施記録

    • 日々の訓練実施記録
    • 評価・見直し記録
    • 効果測定結果
  3. 体制管理書類

    • 勤務表(機能訓練指導員の勤務状況)
    • 研修受講記録
    • 体制届出書の控え

監査対応のチェックリスト

  • 算定対象者全員の計画書が作成されている
  • 3か月ごとの見直しが適切に実施されている
  • 利用者・家族の同意が得られている
  • 機能訓練指導員の勤務実績が確認できる
  • 訓練実施記録が適切に作成されている
  • 効果測定が定期的に実施されている

まとめ:持続可能な個別機能訓練加算の取得に向けて

個別機能訓練加算は、PT・OTがいない認知症グループホームでも、看護師等の有資格者を機能訓練指導員として活用することで取得可能です。月額546円の加算収入は決して大きくありませんが、適切な実施により利用者の身体機能維持・向上と事業所の収益改善を両立できます。

成功のポイントは、計画的な準備と継続的な記録管理、そして利用者の状態に応じた柔軟な訓練プログラムの実施です。既存スタッフのスキルアップと適切な体制構築により、持続可能な加算取得を実現していきましょう。

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