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法人本部と現場の情報伝達を機能させる:伝言ゲームを防ぐ3階層構造
特養2026-04-07

法人本部と現場の情報伝達を機能させる:伝言ゲームを防ぐ3階層構造

「本部から言われたことと現場の認識が違う」——複数施設を持つ社福法人の宿命的な問題だ。本部は指示したつもり、現場は聞いていない、理事長は現場が動いていないと怒る。この三重の認識ズレを解消するには、情報伝達の構造そのものを設計する必要がある。

伝言ゲームの構造

情報伝達が失敗する3つのパターン。

  1. 下りの伝言:理事長→事務局長→施設長→主任→現場職員。5段階を経るうちに3割削ぎ落とされる
  2. 上りの伝言:現場職員→主任→施設長→事務局長→理事長。現場の声が届かない
  3. 横の伝言:施設A→施設B。他施設の成功事例が共有されない

3階層構造の設計

推奨は戦略層・管理層・実行層の3階層構造。

  • 戦略層:理事長・理事・事務局長
  • 管理層:各施設長・事務長
  • 実行層:主任・現場職員

情報は階層間を週次の定例会議で必ず橋渡しされる設計にする。

週次リズムの設計

月曜:管理層会議(60分)

全施設の施設長が参加。先週の実績・今週の予定・共通課題を共有する。Zoom等のオンラインで十分。議事録は24時間以内に全施設長に配布。

火曜:施設内朝礼(15分)

管理層会議の内容を、施設長が実行層に伝達する。重要なのは**「本部から言われた」ではなく「施設として決めたこと」として伝える**こと。現場の当事者意識が変わる。

木曜:実行層フィードバック(30分)

現場から主任へ、主任から施設長への報告の場。ここで出た課題は翌週月曜の管理層会議で議題化する。

金曜:戦略層レビュー(30分)

事務局長が理事長に1週間の動きを報告。数字と現場感を両輪で伝える。

週次リズムを崩さないことが、組織運営の根幹だ。

情報共有ツールの選定

多くの法人がLINEやメールを使っているが、情報が流れて検索できない。推奨はSlack・Teams・Chatworkなどのビジネスチャット。チャンネルを以下のように分ける。

  • #施設全体連絡
  • #管理層
  • #実行層
  • #事故報告
  • #家族対応相談

プライベートメッセージではなくチャンネル利用を原則にすると、誰が何を言ったか透明化される。

ドキュメントの置き場

「どこに何があるか分からない」問題は、Google DriveやSharePointで解決する。フォルダ構造を全法人統一にする。

/法人共通
  /規程類
  /会議議事録
  /研修資料
/施設別
  /A施設
  /B施設

全職員がアクセスできるのが原則。権限を絞りすぎると情報が死蔵される。

本部出張の機能設計

本部スタッフが現場に出向く機会を月1回設ける。目的は「現場の雰囲気を感じること」であって、指示を出すことではない。ここを勘違いすると、本部の訪問が現場にとってストレスになる。

訪問時のルール:

  • 作業の邪魔をしない
  • 10分は現場職員と雑談
  • 施設長面談で課題を吸い上げる
  • 次回までのアクション1つだけ決める

失敗する本部の3特徴

情報伝達が機能していない本部の共通点。

  1. メールだけで指示を送る(口頭・対面がない)
  2. 数字しか見ない(現場感がない)
  3. 成功事例の横展開をしない(他施設の学びが活かされない)

これらを逆にすれば、本部は現場から信頼される存在になる。


次回は、実地指導の準備を解説する。

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