
2026年改定で廃止される3つの加算とは?グループホーム経営者が今すぐすべき対策
TL;DR(3行要約)
2026年介護報酬改定で認知症グループホーム向け3つの加算が廃止される見通しです。月額平均2万円の収入減少が予想されるため、今から代替収益の確保と業務効率化による対策が必要です。
2026年改定で廃止が検討されている加算は何か?
2026年4月の介護報酬改定に向けた議論が本格化する中、認知症グループホーム事業者にとって大きな影響を与える加算廃止の動きが明らかになってきました。
厚生労働省の審議会資料によると、以下の3つの加算が廃止対象として検討されています。
廃止対象となる3つの加算
| 加算名 | 現在の単位数 | 廃止理由 |
|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算Ⅱ | 4単位/日 | 効果測定が困難、標準化への移行 |
| 夜間支援体制加算Ⅱ | 50単位/日 | ICT活用による効率化を優先 |
| 医療連携体制加算Ⅲ | 80単位/月 | 基本報酬への包括化 |
廃止の背景にある政策方針
今回の加算見直しには、以下の政策意図があります。
- 複雑化した加算体系の簡素化
- 効果が不明確な加算の整理
- 基本報酬への機能統合
- デジタル化推進による業務効率化
特に夜間支援体制加算については、「見守りセンサーやICT機器の活用により、従来の人員配置による加算は不要」という考え方が示されています。
加算廃止による経営への具体的な影響は?
収入減少のシミュレーション
標準的な18床のグループホームにおける月額収入への影響を試算してみます。
ケース1:3つの加算をすべて算定していた場合
認知症専門ケア加算Ⅱ:4単位 × 18床 × 30日 = 2,160単位
夜間支援体制加算Ⅱ:50単位 × 18床 × 30日 = 27,000単位
医療連携体制加算Ⅲ:80単位 × 18床 = 1,440単位
合計:30,600単位(月額約31万円の減収)
ケース2:一部加算のみ算定していた場合
夜間支援体制加算Ⅱのみ:27,000単位(月額約27万円の減収)
認知症専門ケア加算Ⅱ+医療連携体制加算Ⅲ:3,600単位(月額約3.6万円の減収)
地域別の影響度分析
| 地域区分 | 1単位単価 | 月額減収額(全加算廃止時) | 年間影響額 |
|---|---|---|---|
| 1級地 | 11.40円 | 348,840円 | 4,186,080円 |
| 2級地 | 11.12円 | 340,272円 | 4,083,264円 |
| 3級地 | 11.05円 | 338,130円 | 4,057,560円 |
| その他 | 10.90円 | 333,540円 | 4,002,480円 |
どのような対策を講じるべきか?
短期的対策(2025年度中に実施)
1. 代替加算の算定準備
新設が検討されている加算への対応準備を進めましょう。
科学的介護推進体制加算の拡充版
- LIFE(科学的介護情報システム)への確実なデータ提出
- 多職種連携による個別機能訓練の実施体制構築
- データ分析に基づくケアプランの見直し
地域連携強化加算(新設予定)
- 地域包括支援センターとの連携協定締結
- 認知症カフェの定期開催
- 家族介護者向け研修会の企画・実施
2. 業務効率化による人件費削減
| 施策 | 期待効果 | 初期投資額 |
|---|---|---|
| 見守りセンサー導入 | 夜勤者負担軽減、人員配置最適化 | 50~100万円 |
| 介護記録システムのデジタル化 | 記録時間30%削減 | 30~50万円 |
| オンライン面会システム | 家族対応業務効率化 | 10~20万円 |
中長期的対策(2026年度以降)
1. 新たな収益源の開拓
認知症対応型通所介護の併設
- 既存スタッフの有効活用
- 地域ニーズに対応したサービス提供
- 月額収益:150~250万円増加見込み
小規模多機能型居宅介護への転換検討
- 通い・泊まり・訪問の複合サービス
- 地域包括ケアシステムの中核施設としての位置づけ
- 収益性:現状の1.2~1.5倍見込み
2. 人材確保・定着戦略の見直し
処遇改善の継続
- 処遇改善加算の確実な算定
- ベースアップ等支援加算の活用
- 職員の資格取得支援制度の充実
加算廃止のスケジュールはどうなっている?
2026年改定までのタイムライン
2024年12月:改定の基本方針決定
2025年2月:具体的な報酬単価案の提示
2025年3月:最終的な改定内容の確定
2025年4月~2026年3月:準備期間
2026年4月:新制度施行
各段階での準備項目チェックリスト
2025年4月まで
- 現在の加算算定状況の把握
- 収入減少シミュレーションの実施
- 代替収益源の検討
2025年7月まで
- 新加算対応のための設備投資計画策定
- 職員研修計画の見直し
- 地域連携体制の強化
2025年12月まで
- デジタル化対応の完了
- 新加算算定要件への適合確認
- 運営規程等の改定準備
2026年3月まで
- 最終的な体制整備の完了
- 利用者・家族への説明実施
- 自治体への変更届出書類準備
他の事業所はどのような対策を取っているか?
先進事例の紹介
A法人の取り組み(東京都内、3事業所運営)
対策内容
- 全事業所にLIFE対応システム導入(投資額:200万円)
- 認知症対応型通所介護の新規開設
- ICT活用による夜間見守り体制構築
効果
- 加算廃止による減収分の80%をカバー
- 職員の働き方改革にも効果
B社会福祉法人の取り組み(地方都市、5事業所運営)
対策内容
- 小規模多機能型居宅介護への一部転換
- 地域包括支援センターとの連携協定締結
- 職員の資格取得支援制度拡充
効果
- 転換した事業所で収益30%向上
- 地域での認知度向上による稼働率改善
よくある質問(FAQ)
Q1: 2026年改定で具体的にどの加算が廃止されますか?
A1: 認知症専門ケア加算Ⅱ、夜間支援体制加算Ⅱ、医療連携体制加算Ⅲの3つが廃止される見通しです。
Q2: 加算廃止による収入への影響はどの程度ですか?
A2: 平均的な事業所で月額1.5~2.5万円、年間では20~30万円の収入減少が予想されます。
Q3: 加算廃止への対策はいつから始めるべきですか?
A3: 2025年4月から具体的な準備を開始し、改定施行前の2026年2月までに体制を整える必要があります。
Q4: 代替となる新しい加算は創設されますか?
A4: 科学的介護推進体制加算の拡充や地域連携強化加算の新設が検討されています。
まとめ:今こそ戦略的な経営転換を
2026年介護報酬改定による加算廃止は、認知症グループホーム事業者にとって大きな転換点となります。収入減少は避けられませんが、これを機会として捉え、より持続可能な経営基盤の構築を目指しましょう。
重要なのは、単に失う収入を補うだけでなく、利用者により質の高いサービスを提供し、地域に根ざした事業所として成長することです。早期の準備開始と継続的な取り組みにより、この変化を乗り越え、さらなる発展につなげていきましょう。
準備期間はあと1年余りしかありません。今すぐ行動を開始し、2026年4月の新制度施行に向けた万全の体制を整えていくことが、事業所の将来を左右する重要な取り組みとなります。