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特養の賃金規程と評価制度:納得感と統制を両立する設計
特養2026-04-07

特養の賃金規程と評価制度:納得感と統制を両立する設計

「うちの施設は昇給基準が曖昧」「評価制度はあるけど形骸化している」——これは多くの特養で共通する悩みだ。賃金規程と評価制度は、採用・定着・生産性の3つを同時に決める最重要インフラである。本稿では、納得感と統制を両立する設計を解説する。

賃金規程の最低ライン

賃金規程には次の5項目が必須だ。

  1. 基本給の決定方法
  2. 諸手当の種類と金額
  3. 昇給の仕組み
  4. 賞与の算定方法
  5. 退職金の有無と計算式

「なんとなく決まっている」が最悪のパターン。実地指導でも指摘対象になり、トラブル時には裁判で不利になる。

基本給テーブルの設計

推奨は「等級×号俸」の2軸テーブル。

等級 役割 号俸1 号俸5 号俸10
1等級 新人 18万 19万 20万
2等級 一般 20万 21万 22.5万
3等級 チームリーダー 22万 23.5万 25万
4等級 主任 25万 27万 29万
5等級 管理職 29万 32万 35万

等級の昇格は評価制度と連動、号俸の上昇は年功とする。この2軸分離が、納得感を生む。

評価制度の3層構造

評価は次の3層で構成する。

層1:行動評価(40%)

日常の行動を評価する。項目例:

  • 時間厳守
  • チームワーク
  • 利用者への対応
  • 報告・連絡・相談
  • 身だしなみ

層2:業務評価(40%)

業務の遂行状況を評価する。項目例:

  • 介護技術
  • 記録の質
  • 緊急対応
  • 家族対応

層3:貢献評価(20%)

組織への貢献度を評価する。項目例:

  • 委員会活動への参加
  • 新人指導
  • 改善提案

評価の3つの落とし穴

落とし穴1:評価者によってバラツキが出る

これは評価者訓練で解決する。年1回、主任以上を対象に2時間の訓練を実施。「同じ職員を全員で評価する」ワークを入れると、目線が揃う。

落とし穴2:評価結果が給与に反映されない

「評価はやるけど、結果は昇給に影響しない」と職員に見えると、制度は崩壊する。少なくとも賞与配分に差をつける仕組みを導入する。

落とし穴3:ネガティブ評価のフィードバックが雑

低評価の職員に「あなたは評価が低かった」と伝えるだけでは逆効果だ。具体的な改善アクションと、次回評価までの支援を約束することがセット。

昇給基準の透明化

昇給は4段階評価にするのがバランスが良い。

  • S(上位10%):号俸+2、等級昇格候補
  • A(上位30%):号俸+1.5
  • B(中位40%):号俸+1
  • C(下位20%):号俸+0.5

C評価の職員がいれば、その理由と改善策を面談で伝える。いきなり昇給ゼロにすると法的にも問題がある。

処遇改善加算との接続

処遇改善加算の配分を評価結果と連動させると、制度の一貫性が出る。ただし介護職員等処遇改善加算の対象者限定ルールがあるため、法的要件を満たす範囲で設計する。

評価面談の設計

年2回(半期ごと)の評価面談は必須。1人あたり30〜45分。面談フォーマット:

  • 前期の振り返り(本人→上司)
  • 評価結果のフィードバック
  • 次期の目標設定
  • キャリアに関する希望

**「評価を伝える場」ではなく「成長を約束する場」**と位置づけると、職員の受け止めが変わる。


次回は、派遣看護師の質の見極めを解説する。

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